1-1. 基礎の基礎

LCC(格安航空会社)とは?

劇的にコストを切り詰めることで、格安運賃を実現した航空会社です。
ヨーロッパでは"Low cost airline""No-frills airline""Budget airline"など様々な呼称で呼ばれていますが、日本では2010年頃から「LCC」という表記で統一されるようになりました。
昔はこのサイトでLCCの仕組みについて詳しく説明していたのですが、近年は日本でも一般的な知識となってきたため、回りくどい説明は切り捨てます。
ザックリと一般的な事項を記載しますので、詳しいことはウィキなどで自習をお願いします。
Wikipedia:格安航空会社 

一般的なLCCの特徴

1. とにかく安い
「全てコミコミで片道10ユーロ」なんていう激安チケットがザラに出回っています。チケット代だけ見れば、大手航空会社の数分の一の料金です。(あくまでチケット代だけ見れば、ですが)

2. チケットは払い戻し不可
一旦購入した後は、基本的に何があろうと払い戻しができません。予約変更も難しいか、高額の手数料がかかることが多いです。また、他の航空会社への振り替えも基本的に行ってくれません。

3. 機内のサービスが皆無
機内で無料で提供されるものは、基本的に何もありません。
もちろんお金を払えば飲み物・軽食類を購入することができます。ちなみに、最も金にがめつい最大手のライアンエアは、かつて機内のトイレを有料化しようとして物議を醸したこともあります。
当時のロイターの記事

4. 発着が遅れやすい
機材を早朝から深夜までフル活用しているため、一度フライトが遅れると、その後同じ機材を使うフライトが、玉突き状に次々と遅れていきます。
大手航空会社なら、大幅な遅延が発生すれば他の航空会社に振り替えを行ったり、せめて食事券を配布したりするところですが、もちろんLCCにはそんな豪勢なサービスはありません。
2時間遅れようが5時間遅れようが、乗客はひたすら空港のロビーで耐えて待つのみです。修行だと思う他ありません。

なお、「朝イチのフライトでは遅れにくいのでは?」と考える方も多いようですが、そんなことはありません。前日の最終便が、空港の着陸時間制限を超えたためにキャンセルされていたり、整備に時間がかかったりすることで、朝6時のフライトからいきなり遅れることも珍しくありません。

5. 荷物のサイズ・重量制限が厳しい
荷物のサイズもしくは重量の制限をわずかでも超えていた場合、容赦なく追加料金が徴収されます。

と、このあたりが一般的なLCCの特徴だと思います。
続いて、欧州LCCのこれまでの歴史について、1-2. 欧州LCCの歴史で簡単におさらいしています。特に興味が無ければ、1-3. 欧州LCCの特徴にお進みください。